2007年 02月 08日 ( 1 )

発掘

f0126840_22442466.jpg学生時代に発掘作業のバイトをしたことがある。
繊細な仕事だろうと思っていたが、大部分は土を掘りまくる仕事であった。

建物の柱跡があったとしても、土に覆われれいるので、
まずは表面の土を一定の深さ剥ぎ取る。
これは、シャベルと一輪車を使った土木作業である。

表面の土が取り除かれたら、さらに薄く剥ぎ取って表面をツルツルにする。カンナがけみたいな感じ。
何も無ければ何の変哲もないまっ平らな地面であるが、
柱跡があれば、そこだけ土の色が微妙に違う(図左、実際はこれ程の違いはありません)。
柱が立っていたところは、土で覆われてしまう時に、土台の土とは違った土で埋まるからだそうだ。
次に、土の色が変わっているところに、白線を引いていく(図右)。
白線を引き終わったら写真撮影して、いよいよ繊細な発掘作業が始まる。

実際に掘ってみると、土台との界面は微妙である。土台の土も堆積した土も、どちらも土である。
「よく判りません」というと、現場監督が「両方の土を軍手に乗っけて見比べるんや」と教えてくれる。
だが、界面そのものは判らない。
(あらっ、掘りすぎたか?、埋めるわけにも行かないし・・・。)

となりを見ると、同じバイトなのにキレイに発掘している人がいた。
「どうやったらそんなにうまく界面が判るん?」
「うーん、適当」
プロでもないのに、界面なんぞ見分けれる訳がないから、適当に掘るそうだ。それっぽく見えるから不思議である。

家に帰って、親父に「発掘のバイト始めた」と言ったら、
「昔、よう山から石棺が出てきてなぁ・・・」と話してくれた。

山を切り拓いて果樹園を作る時か、果樹園を宅地に変える時かどちらかは聞きそびれたが、
山から石棺が出てきたらしい。古墳群の一角であるから、頷ける話である。

「役場とかに届けたら、やれ文化財やとかで、大騒ぎになるからなぁ・・・」
(調査団とやらがやって来て、自分の土地なのに立ち入り禁止になるらしい。)
「発破かけて、壊してまうねん。」

自分が生まれる前の話だから、半世紀以上前のことだろう。
今のようにマスコミに騒がれることなく、ひっそりと姿を消した古墳もあるに違いない。
親父が生きていた頃の、昔話である。
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by enantio-excess | 2007-02-08 22:57