人気ブログランキング | 話題のタグを見る

野洲へ

野洲へ_f0126840_2335433.gifJRは便利だが、降り損ねると、とんでもないことになる。
十数年前、バドミントンの大会の後、三ノ宮で打上をやった。
夜遅くまで、水割りをしこたま飲んで、快速電車に乗り込んだ。
大阪駅までは半時間程の小旅行である。
がら空きだったので、座席に腰を掛け、ウトウトとする・・・。

車掌に起こされて目が覚めた。「降りろ」と言ってるようだ。
車窓からホームを見て、芦屋駅だと思った。
「何故、芦屋駅で降ろされなアカンねん?」
「芦屋行きの快速電車だったのか?そんなんあったっけ?」
フラフラとホームの階段を上り、改札口で駅員に大阪までの定期券を見せ、駅舎を出た。
何か、雰囲気が違う。(芦屋駅ってこんな駅だったけ?)
ふと振り返ると「野洲駅」と書いてある。「芦屋駅」の幻想を打ち砕く。帰りの電車はもうない。
観光案内だろうか「ようこそ野洲町へ!」の看板を見上げていたら、タクシーの運ちゃんが寄って来た。

「兄ちゃん、寝過ごしたんか?」
「芦屋やと思ってた。」
「芦屋?芦屋いうたら神戸の真ん中やないか、ここは滋賀県やで!」
(芦屋は神戸の東側にあるが知らないらしい。)
「ドライブがてらに大阪まで送ってやってもええで」(メーターを倒さずに走るつもりらしい。)

数千円から徐々に相手の顔色を伺いながら、運賃の交渉を始めたのだが、「一万円は出して貰わんとなぁ」と言われ、
「8千円しかない」というと、「ほな、始発まで待ち!」と言い残して、運ちゃんは去ってしまった。

京都まで行けば、8千円で送ってくれるタクシーが見つかるかも、と歩くことにした。
バドミントンのシューズに履き替え、線路に近い道を京都方面に歩く。
歩きながら、「瀬田川をどうやって越えるか」考えていた。
野洲~栗東~守山~草津まで戻ったところで、夜が明けたので、始発電車にて帰阪した。
翌朝、財布の中を調べてみたら、一万数千円程入っていた。(財布の中身すら記憶になかったのである。)

アル中が深刻化する前、まだ健康的な酒飲みだった頃の出来事である。
by enantio-excess | 2007-04-09 23:54


<< 腕時計の謎 選挙 >>