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更半紙

更半紙_f0126840_23433564.jpg小学校に入るまでは、更半紙や、チラシの裏によく絵を書いていた。
どちらかというと、絵を描くのが好きだったように思う。

絵を描くのが嫌いになったのは、小学校1年生の時である。
担任の先生に、遠足へ行った時の絵を書くように言われ、
クラス全員、思い思いに書き始めた。
クレヨンで遠足に行った時の出来事を思い出しながら、書いていた。

担任が、絵の進み具合を見回りに来た。
アリんこさん、かな?」と冷かされたので、
「これが僕で、これは○○君。」と答えた。
この時までは、絵を描いているのが楽しかった。

しばらくして、また担任が回って来た。「真面目に描きなさい!」今度は怒り出した。
怒られる理由が判らない。こっちは真面目に描いているのである。
「△△さんの絵を見てごらん。お友達の顔が描いてあるでしょう?」お友達の顔と言われても、誰が誰だかさっぱり判らない。
(自分の絵とどこが違うというのだろう・・・?)(自分の絵の何が悪いのだろう・・・?)
「他の人の絵も見て御覧なさい!」
教室を引き回された。確かに、人物を「丸」と「線」で描いたのは自分一人であった。
どの絵にも、顔が描いてあるのだが、ちっとも似ていない。(こんなのが良いのか?)

更半紙_f0126840_23452136.jpg悩んだ揚句、△△さんの絵を真似ることにした。
描きはじめたら、担任は満足したらしく、頷きながら、去って行った。
しばらくして、担任が回って来て、また怒られた。
「△△さんの絵を真似してるじゃない!」えらい剣幕である。
どうすれば良いのか判らなくなった。

涙が出て、自分の描いた絵の上に、ポタポタと落ちた。
(絵の顔は笑っているのに、何故描いている自分は泣いているんだろう?)
それ以来、絵を描くのが楽しいとは思わなくなった。
by enantio-excess | 2007-04-20 23:58


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